02 | Beginning of BORNE

 

はじめまして。

BORNE ARCHIVEは、デザイナーである私が立ち上げ、個人で運営・企画しているインディペンデントブランドです。


今日は、BORNE ARCHIVEの成り立ちについて、少しお話しできたらと思います。


会社員としてファッションデザインをしていた私は、漠然と彫刻家のバーバラ・ヘップワースに憧れ、木彫りをしていた時期があります。


ベルリンを旅行したときに購入したヘップワースの画集を眺めては、海辺で大きな木の塊を彫っている彼女の写真に、自分の故郷の海辺や、ものをつくるときの自分のスタンスを、どこか重ね合わせていたのかもしれません。


 

木彫りをしていた経験から、


・不要なものを削る

・素材に直接触れてその中から形を見出す

・余白をつくる

・立体として存在させる


という感覚に強く惹かれていました。


BORNEが始まる前から、服をつくることと彫刻は、少し似ているように思っていたのです。


こうした感覚だけでなく、彼女の作家としての独立した精神にも憧れていました。


会社という組織に属し、分業された工程のなかで、ひたすら精密にものをつくり続けるデザイナーでいると、次第に、自分のつくれるものの広がりが限られていくように感じたり、自分の好みが薄まっていくように感じることがありました。

自分がつくったものであるはずなのに、いつの間にか他人事のように感じてしまう瞬間もありました。

だからこそ、ものをつくるだけではなく、実際にお客さまに手渡すところまでを自分でやってみたい。

服が前に出て目立つのではなく、着ている人をそっと際立たせたい。

そうすることで、自分がつくったものを、改めて自分自身のこととして感じてみたかったのだと思います。

そして、これまで服をつくるなかで積み重なってきた自分の美学を、一度整理して、ひとつの形にしてみたい。

そう思い、会社員を退職し、独立しました。


自分で資金を用意し、企画から販売まで行おうと動き出した私に、これまでお付き合いしてきたメーカーやパタンナーの方々は、相談すると親身になって助け舟を出してくれました。

取引のことや、お金、ロットの問題などを少しずつ解決しながら、私は進みはじめました。


そんな感覚に合うブランドをつくりたいと思い、あれやこれやと辞書を引いていると、BORNEという言葉に目が留まりました。


BORNEには、「運ばれる」「支えられる」といった、物や感情の移動や保持を表す意味があります。

ものをつくることは、ひとりでは完結しません。

素材をつくる人、服をつくる人、それを届ける人。そして、それを受け取る人。

いろいろなものが誰かから誰かへと渡り、支え合う循環のなかで、服は生まれていきます。


また、ARCHIVEには「保存記録」や「収集」といった、ものを体系づけて保存し、蓄積していく意味があります。

BORNEというブランドから生まれていくものを、時間とともに蓄積していくような場所にしたい。


そんな思いから、BORNE ARCHIVEと名づけました。

 

まだ始まったばかりのBORNEですが、これからつくるものや、出会う人、過ごしていく時間も含めて、少しずつ積み重ねていけたらと思っています。